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ユニコーンの角

そのユニコーンは翼を求めて、世界の果てまで旅をした。
泉に微笑む女神をみつけ、翼を願いでる。
「翼ではなく、角を望んだのはあなたなのですよ?」
訪ねる女神の声に耳を傾けることなく、翼の為に、その角をユニコーンは差し出す。
「あなたがあなたである限り、翼とて角と同じことなのに。」
女神の声は届かない。
ユニコーンは翼に喜び誇らしく、空を飛び去った。
空からの景色は素晴らしかった。
夕焼けの色の反射の中を飛ぶのが大好きだった。
やがてユニコーンは、美しき別のユニコーンに恋をする。
彼女の角は虹色に光り、まるで宇宙のコトバをその角で受け取っているかのように見えた。
自慢の翼をはばたかせ、勇ましく地に降り立ち、彼女に近寄る。
「こんにちは、ペガサスさん。」彼女は丁寧に挨拶をしてくれた。
ユニコーンは魂が惹きつけられるのを感じた。
「これは運命の恋に違いない。」
しかし、彼女はユニコーンの想いには答えなかった。
だってユニコーンは、翼を持ったペガサスになっていたのだから。
ユニコーンは、また世界の果てまで旅をした。
女神に角を求め、今度は翼を差し出した。
「生まれた姿そのものに祝福は宿るのです。
翼の世界が素晴らしくとも、命宿るそのものの姿に喜びを見つけないのなら、
何度でもあなたは運命を逃しますよ?」
ユニコーンは頷く。光に運ばれ、彼女のもとへ急いだ。
しかしユニコーンは彼女が見つけられなかった。
運命と呼ばれる瞬間は、何度もは訪れないのだ。
借り物の姿でその瞬間に居合わせたなら、宇宙の祝福は受け取れないもの。
ユニコーンは、初めて自分がユニコーンであることが、どれだけ素敵なのか。
その角が、世界に虹色の光を放てる素晴らしいチカラであることを知り、
泣けるだけ泣いた。
彼女に会いたくて。今度は、ペガサスではなく、ユニコーンとして出会いたくて。
私達は、私達になりたくて、それぞれ姿をえらんで生まれて来る。
身体と魂の運命的な出会い。
宇宙中探したって、それ以上の運命はないよ。
だから、あなたを活きて、生きて。
他の誰でもない、あなただけの素敵が、宇宙を魅せる。
宇宙からの運命が、あなたと動き始めるよ。

